有機溶剤とは?有機溶剤の種類・分類と廃棄方法

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有機溶剤とは、物質を効率的に溶かす性質を持つ有機化合物の総称で、産業から日常生活まで幅広い場面で使われています。
塗装や印刷、金属部品の洗浄などに欠かせない存在であり、除光液や接着剤、ペンキの薄め液といった身近な製品にも含まれています。
一方で、有機溶剤は揮発しやすく、蒸気を吸い込むことで人体に影響を与える危険性があります。

厚生労働省が定める有機溶剤中毒予防規則では、溶剤の種類ごとに使用基準や管理方法が定められており、企業は換気設備や保護具、健康診断といった多面的な対策を行う義務があります。
また、廃棄の段階においても産業廃棄物や特別管理産業廃棄物として厳格な基準が設けられています。
有機溶剤は便利でありながら取り扱いに注意が必要な物質であり、その正しい知識と管理が労働環境の安全を守る鍵となります。

有機溶剤とは

有機溶剤とは、物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称であり、塗装、洗浄、印刷など多様な作業に広く利用されています。
主に炭素・酸素・水素を含む化合物から成り、水とは異なる性質を持つ溶媒です。
常温では液体であるものの揮発性が高く、蒸気となって呼吸器や皮膚を通じて体内に取り込まれる性質を持ちます。
産業現場では均一な塗布性やコスト面での利点が評価され、機械部品の脱脂洗浄など幅広く使われています。

なお、厚生労働省では、有機溶剤について、以下のように説明しています。

有機溶剤とは、他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称であり、様々な職場で、溶剤として塗装、洗浄、印刷等の作業に幅広く使用されています。

有機溶剤は常温では液体ですが、一般に揮発性が高いため、蒸気となって作業者の呼吸を通じて体内に吸収されやすく、また、油脂に溶ける性質があることから皮膚からも吸収されます。

引用:有機溶剤とは(厚生労働省)

特徴と用途

有機溶剤は油脂や樹脂を効率的に溶かす能力を持ち、塗料の希釈、印刷インクの溶解、金属部品の洗浄などに用いられています。
除光液の主成分アセトンや塗料用シンナーなどが代表例で、工業用途では500種以上が存在します。均一な仕上がりや高い汎用性が特徴です。

生活に身近な利用例

有機溶剤は工業分野だけでなく、日常生活でも目にする機会があります。
たとえば自宅で使うペンキの薄め液、接着剤に含まれる成分、印刷物のインク、さらにはネイルの除光液なども有機溶剤の一例です。
普段の生活の中で自然に触れていることから、誰にとっても身近な存在といえます。

人体への影響と安全対策

揮発性が高いため蒸気を吸入すると健康障害を引き起こす危険があります。
慢性的な曝露は再生不良性貧血、視力低下、神経障害、精神症状などを伴うとされます。
皮膚からの吸収もあるため、作業時は換気の徹底、保護マスクや手袋の着用が必要です。

有機溶剤と用途の例

有機溶剤名 用途
トルエン 塗料・インキ・接着剤溶剤・ゴム希釈材・工業用洗浄剤
キシレン 塗料・インキ・接着剤溶剤・染料・可塑剤
ノルマルヘキサン 食用油脂抽出、抽出溶剤、塗料・インキ溶剤、燃焼試験用、洗浄剤
メタノール 燃料・インキ・接着剤溶剤、不凍液、洗浄剤、アルコールランプ燃料、滴注剤、バイオディーゼル製造燃料、鋳造用塗型剤の溶剤
エタノール エーテル・エステル・セルロイド等の抽出、ワニス・インキ溶剤、化粧品原料、 消毒剤、洗浄剤、燃料
ブタノール 塗料・インキ溶剤、酢酸ブチル・安定剤・DBPの原料、医薬品原料
酢酸メチル 塗料・印刷インキ・接着剤の溶剤、抽出溶剤、香料
酢酸エチル 塗料・印刷インキ・接着剤の溶剤、抽出溶剤、洗浄剤
酢酸ブチル 各種樹脂、レザー、人工皮革、綿火薬、ゴム、一般溶剤、抽出溶剤
アセトン ラッカー、アクリル樹脂塗料用溶剤、油脂、ワックス、ワニス、 医薬品向け原料(低ベンゼン度品)、ボンベ詰めのアセチレン等の溶剤、 抽出溶剤、FRP洗浄剤
メチルエチルケトン 塗料・インキ・接着剤溶剤、アクリル・ウレタン・エポキシ溶剤、 塩ビ表面処理剤、各種洗浄剤
メチルプロピルケトン 塗料・インキ・接着剤溶剤 、洗浄剤

有機溶剤業務とは

有機溶剤業務とは、有機溶剤を使用する作業を指し、労働安全衛生法に基づく有機溶剤中毒予防規則(有機則)で定義されています。
有機溶剤は物質を溶かす性質を持つ揮発性の高い液体であり、建設現場では塗料や接着剤、防水材などに幅広く使われています。

対象となる業務には、塗装、洗浄、接着などが含まれます。具体的にはスプレーガンでの塗装やシンナーを使った工具の洗浄などが該当し、いずれも溶剤が空気中に蒸発して作業者が吸入するリスクがあります。
また、有機溶剤は皮膚からも吸収されるため、吸入と接触の両方に注意が必要です。
作業が有機溶剤業務に該当するかどうかは、製品ラベルやSDS(安全データシート)を確認し、規則で指定された溶剤が含まれているかを確認する必要があります。

有機則で定められた主な有機溶剤業務は以下の通りです。

  • 塗装作業:有機溶剤を5%超含む塗料をスプレーガンや刷毛で塗布する作業
  • 接着作業:有機溶剤を含む接着剤を用いる作業
  • 洗浄・拭き取り作業:シンナーなどを使って道具や部材を洗浄・拭き取る作業
  • つや出し・防水加工:防水材や仕上げ材の塗布
  • 乾燥作業:有機溶剤を含む塗装や洗浄後の乾燥工程

これらの作業はいずれも蒸気の発生や皮膚吸収のリスクを伴うため、管理体制と安全対策が欠かせません。

参考までに、厚生労働省が挙げる有機溶剤業務についても以下に挙げておきます。

  1. 有機溶剤等を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌、加熱⼜は容器若しくは設備への注入の業務
  2. 染料、医薬品、農薬、化学繊維、合成樹脂、有機顔料、油脂、⾹料、⽢味料、⽕薬、写真薬品、ゴム若しくは可塑剤⼜はこれらのものの中間体を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌⼜は加熱の業務
  3. 有機溶剤含有物を用いて⾏う印刷の業務
  4. 有機溶剤含有物を用いて⾏う文字の書込み⼜は描画の業務
  5. 有機溶剤等を用いて⾏うつや出し、防水その他物の面の加工の業務
  6. 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務
  7. 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務
  8. 有機溶剤等を用いて⾏う洗浄(最後に掲げる業務に該当する洗浄の業務を除く。)⼜は払しょくの業務
  9. 有機溶剤含有物を用いて⾏う塗装の業務(最後に掲げる業務に該当する塗装の業務を除く。)
  10. 有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務
  11. 有機溶剤等を用いて⾏う試験⼜は研究の業務
  12. 有機溶剤等を入れたことのあるタンク(有機溶剤の蒸気の発散するおそれがないものを除く。以下同じ。)の内部における業務

参考:有機溶剤業務とは(厚生労働省)

有機溶剤の種類

有機溶剤は、化学構造による分類、法令上の分類(有機溶剤中毒予防規則や特定化学物質障害予防規則)、消防法による燃えやすさの分類など、さまざまな視点で整理されています。

ここでは、化学構造に基づく代表的な分類である炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、塩化炭化水素類について解説します。
同じ分類の物質は共通する性質を持ち、用途や安全対策の理解につながります。

炭化水素類

炭化水素類は炭素と水素のみで構成される物質で、石油精製工程や天然ガスから得られます。プラスチックの原料としても重要で、工業利用が広い分野です。
常温で気体のメタン・エタンから、液体のベンゼン・トルエン、固体のナフタレンまで、分子量や構造により多様な状態があります。

金属を腐食しにくく、油類に溶けやすい性質があり、安価で普及しています。
衣類のクリーニング用溶剤や部品洗浄剤など生活に身近な用途から、工業プロセスでの洗浄剤まで幅広く利用されています。

アルコール類

アルコール類は、水酸基を持つ物質の総称です。
エタノールは消毒用や飲料用としてよく知られており、メタノールや高級アルコールも含まれます。
低級アルコールは水に溶けやすく、溶剤や燃料として活用されます。高級アルコールは常温で固体となり、乳化剤や潤滑油、金属加工油の添加剤として利用されています。

水溶性の汚れ落としに優れ乾燥が早いことから、他の溶剤と組み合わせて使われることも多く、プリザーブドフラワーの脱水やインクの抽出剤としても使われます。
引火性が高いため、消防法で危険物に指定されており、大量保管には規制があります。

ケトン類

ケトン類はケトン基を持つ物質で、油や樹脂を溶かす力に優れています。炭化水素類ともよく混ざるため、希釈剤としても利用されます。
代表例であるアセトンは除光液や接着剤のはがし液に含まれ、ネイルアートや塗料の除去に使われています。
メチルエチルケトンは樹脂溶解力が高く、塗料や接着剤の原料として広く利用されています。

臭気が強いものも多く、一部は有機則や特化則で規制対象となっています。

エステル類

エステル類は酸とアルコールから得られる物質で、樹脂をよく溶かす性質を持ちます。
酢酸エチルは除光液や塗料成分として用いられ、昆虫標本の防腐用殺虫剤としても使われます。
フタル酸エステルはプラスチックを柔らかくする可塑剤で、建材やフィルム、接着剤、塗料の原料として活用されています。

においが特徴的で、香料としても利用されるなど、産業用途にとどまらず日常生活でも身近な存在です。

エーテル類

エーテル類はアルコールから得られる物質で、揮発性が高く独特のにおいがあります。
塗料や樹脂の希釈剤として使われ、ジエチルエーテルは合成原料、樹脂やゴムの加工原料、燃料として広く用いられています。
かつては医療用麻酔薬としても利用されており、工業分野以外でも存在感のある溶剤です。

塩化炭化水素類

塩化炭化水素類は炭化水素の水素を塩素に置換した物質で、塩素系溶剤とも呼ばれます。
溶解力と洗浄性に優れ、乾燥が早く燃えにくい特性があります。
価格も比較的安いため工業的に利用されますが、毒性が強いため有機則や特化則で規制されています。産業利用にあたっては法令に基づいた管理が不可欠です。

有機溶剤中毒予防規則での分類

有機溶剤中毒予防規則(有機則)は、労働安全衛生法に基づいて制定された厚生労働省令であり、有機溶剤を使用する現場における労働者の安全と健康を守ることを目的としています。
有機溶剤は塗装や洗浄、印刷など多くの産業で利用される一方で、揮発性が高く体内に吸収されやすいため、健康被害を引き起こす危険性があります。
そのため、法律として明確な基準を設け、企業が遵守すべき管理体制を定めています。

有機則では、指定された有機溶剤を毒性の強さに応じて第1種、第2種、第3種に区分しています。
対象となる物質は全部で54種類に及び、アセトンやトルエンといった生活でも耳にするものから、工業用途で使われる特殊な溶剤まで幅広く含まれています。
これらの溶剤は、毒性や揮発性の度合いによって管理方法が異なり、規制内容も段階的に設けられています。

具体的としては、作業場の環境基準の設定、換気設備の設置や性能基準、作業環境測定の定期的な実施、労働者に対する特殊健康診断の実施、保護具(マスクや手袋など)の着用義務、取り扱い作業に従事する人への安全教育の実施など、多岐にわたる管理措置が規定されています。
これらは、労働者が有機溶剤に長期間さらされることで発生する再生不良性貧血や神経障害、視力障害などの健康被害を未然に防ぐために不可欠な取り組みです。

さらに、有機則は単に作業環境の整備だけではなく、事業者が労働者の健康を継続的に把握し、安全に働ける体制を構築することを義務付けています。
特に、有機溶剤を扱う職場では、局所排気装置や換気装置を設置して蒸気の発散を抑制すること、定期的に作業環境測定を行って基準値を満たしているか確認することが求められます。
また、労働者に対しては定期的な健康診断を実施し、早期に体調不良を発見して対応することが重視されています。

有機溶剤中毒予防規則は、広く使われる有機溶剤のリスクを管理し、労働者の健康を守るための基盤となる規則であり、現場の安全対策や企業の法令遵守において欠かせない位置づけを担っています。

第一種有機溶剤

第一種溶剤には、次のものが挙げられます。

  1. クロロホルム
  2. 四塩化炭素
  3. 1,2-ジクロルエタン(別名:二塩化エチレン)
  4. 1,2-ジクロルエチレン(別名:二塩化アセチレン)
  5. 1,1,2,2-テトラクロルエタン(別名:四塩化アセチレン)
  6. トリクロルエチレン
  7. 二硫化炭素

参考:有機溶剤の種類と区分(厚生労働省)

有機溶剤を安全に取り扱うためには、揮発した蒸気が作業場に広がらないようにすることが重要です。
そのため、作業工程における発散源を密閉する構造を導入したり、蒸気をその場で捕集する局所排気装置を設置したりすることが求められます。
さらに、作業者の正面から新鮮な空気を送り、背面側で排気するプッシュプル型換気装置のように、効率的に蒸気を除去する仕組みも有効です。
このような設備対策は、有機溶剤による健康被害を未然に防ぐうえで欠かせない基本的な管理方法です。

第二種有機溶剤

第二種有機溶剤には、次のものが挙げられます。

  1. アセトン
  2. イソブチルアルコール
  3. イソプロピルアルコール
  4. イソペンチルアルコール(別名:イソアミルアルコール)
  5. エチルエーテル
  6. エチレングリコールモノエチルエーテル(別名:セロソルブ)
  7. エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名:セロソルブアセテート)
  8. エチレングリコールモノ-ノルマル-ブチルエーテル(別名:ブチルセロソルブ)
  9. エチレングリコールモノメチルエーテル(別名:メチルセロソルブ)
  10. オルト-ジクロルベンゼン
  11. キシレン
  12. クレゾール
  13. クロルベンゼン
  14. 酢酸イソブチル
  15. 酢酸イソプロピル
  16. 酢酸イソペンチル(別名:酢酸イソアミル)
  17. 酢酸エチル
  18. 酢酸ノルマル-ブチル
  19. 酢酸ノルマル-プロピル
  20. 酢酸ノルマル-ペンチル(別名:酢酸ノルマル-アミル)
  21. 酢酸メチル
  22. シクロヘキサノール
  23. シクロヘキサノン
  24. 1,4-ジオキサン
  25. ジクロルメタン(別名:二塩化メチレン)
  26. N,N-ジメチルホルムアミド
  27. スチレン
  28. テトラクロルエチレン(別名:パークロルエチレン)
  29. テトラヒドロフラン
  30. 1,1,1-トリクロルエタン
  31. トルエン
  32. ノルマルヘキサン
  33. 1-ブタノール
  34. 2-ブタノール
  35. メタノール
  36. メチルイソブチルケトン
  37. メチルエチルケトン
  38. メチルシクロヘキサノール
  39. メチルシクロヘキサノン
  40. メチル-ノルマル-ブチルケトン

参考:有機溶剤の種類と区分(厚生労働省)

第一種有機溶剤と同様に、作業環境での安全を確保するためには発散源を密閉し、蒸気を作業場内に拡散させないことが基本となります。
そのうえで、蒸気を効率的に除去する局所排気装置や、作業者の前方から新鮮な空気を送り背面側で排気するプッシュプル型換気装置を設置するなどの換気対策が必要です。
このような設備を適切に整備することで、労働者のばく露を最小限に抑え、安全な作業環境を維持できます。

第三種有機溶剤

第三種有機溶剤には、次のものが挙げられます。

  1. ガソリン
  2. コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む。)
  3. 石油エーテル
  4. 石油ナフサ
  5. 石油ベンジン
  6. テレビン油
  7. ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット及びミネラルターペンを含む。)

参考:有機溶剤の種類と区分(厚生労働省)

第三種有機溶剤のうち吹付け作業に使用する場合は、蒸気が作業場に広がりやすく濃度も高くなるため、発散源の密閉や局所排気装置、プッシュプル型換気装置といった設備による対策が必須です。
一方、吹付け以外の作業では、作業者が防毒マスクを着用したうえで全体換気装置を稼働させれば作業が可能とされています。
用途や作業方法に応じた適切な管理を行うことが、労働者の健康を守るために欠かせません。

有機溶剤を廃棄する場合の廃棄物区分

廃棄物はまず、産業廃棄物と一般廃棄物に分類されます。
産業廃棄物は事業活動に伴い発生する廃棄物で、法律や政令で定められた20種類を指します。
それ以外の日常生活から排出され、環境汚染の心配が少なく市町村の処理能力で十分対応できるものが、一般廃棄物です。

有機溶剤は前者の、産業廃棄物に分類されます。有機溶剤を廃棄する場合の廃棄区分は、「産業廃棄物(廃油)」と「特別管理産業廃棄物(引火性廃油)」のいずれかです。
具体的にどのような性質を持つ有機溶剤が、いずれに分類されるかなどを詳しく見ていきましょう。

産業廃棄物(廃油)

有機溶剤は通常、産業廃棄物の廃油に分類されます。主な処理方法は、再生利用・減量化・最終処分の3つです。

廃油は再生利用が難しく、産業廃棄物の排出・処理状況等(令和2年度実績) によると再生利用率は44.2%程度にとどまります。
これは汚泥(7.1%)・廃アルカリ(17.9%)・廃酸(29.1%)に次ぐ低さです。

特別管理産業廃棄物(引火性廃油)

引火性廃油となる有機溶剤は、特別管理産業廃棄物に分類されます。
特別管理産業廃棄物とは、爆発性・毒性・感染性が高く、特に健康や環境に与える被害が大きいとされる産業廃棄物です。
通常の廃棄物よりも厳しい処理基準が設けられています。

ここでいう引火性廃油とは、揮発油類・灯油類・軽油類のうち、引火点が70度未満で発火しやすい物質のことです。
取り扱いが難しく危険なので、運搬や収集、処分では発火点を超えないよう十分注意する必要があります。

なお廃棄物処理法により、特別管理産業廃棄物が排出される事業場には、特別管理産業廃棄物管理責任者を設置しなければならないと定められています。
これに違反した場合、30万円以下の罰金が科されます。

有機溶剤を廃棄する方法

有機溶剤を廃棄する際には、分別から保管、専門業者への委託、マニフェストによる最終処分の確認まで、一連の手続きを徹底することが求められます。
適切に対応することで、法令遵守と安全確保の両面を実現できます。

分別・保管

有機溶剤を廃棄する際は、種類ごとに分別して保管することが重要です。
異なる溶剤が混ざると化学反応を起こす可能性があるため、必ず分けて管理しましょう。
さらに揮発性が高いため、蒸気を吸い込む事故を防ぐ目的で密閉容器に入れて保管する必要があります。

専門の廃棄物処理業者へ委託する

処理は必ず、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託します。
廃棄物処理法では、産業廃棄物の収集・運搬や処分を行う場合、管轄する都道府県知事の許可が必要と定められています。
無許可業者へ委託すると、排出事業者側にも責任が及び、懲役5年または罰金1,000万円以下、もしくはその両方が科される可能性があります。これは「排出事業者責任」という考え方に基づいています。

委託先を選ぶ際は、その業者が有機溶剤を処理できるかどうかを確認することも不可欠です。
業者によっては金属くずや古紙、医療系廃棄物など特定の分野に特化している場合があり、対応できないこともあります。
不適切な処理が行われた場合、排出した企業にも責任が生じるため注意が必要です。

引き渡すまでの間は、容器をしっかり密閉し、内容物を明記して保管します。
複数の有機溶剤や他の廃棄物が混ざっている場合は、処理方法が変わる可能性があるため、必ず受け渡し時に詳細を伝えるようにしましょう。

マニフェストの交付・保管

廃棄物を引き渡したら、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付します。
これは産業廃棄物が最終的に適切な方法で処理されたかを確認する伝票で、排出事業者は収集運搬業者や処分業者の名称、廃棄物の種類や量などを記載します。
交付したマニフェストは5年間の保管義務があり、報告義務を怠った場合は1年以下の懲役または1,000万円以下の罰金に処される可能性があります。

まとめ

有機溶剤は、工業用途だけでなく生活のさまざまな場面でも利用される一方、揮発性や毒性の高さから適切な管理が欠かせない物質です。
炭化水素類やアルコール類、ケトン類など多様な種類が存在し、用途に応じて活用されていますが、いずれも人体への影響を考慮し、換気設備や保護具を用いた対策が必要とされています。

有機溶剤中毒予防規則による厳格な区分と基準は、労働者の健康を守るために不可欠であり、企業にとって法令順守の観点からも重要です。
さらに、使用後の廃棄については産業廃棄物や特別管理産業廃棄物として厳しい処理ルールが課されており、排出事業者責任のもとで正しく対応することが求められます。
有機溶剤は利便性とリスクを併せ持つため、適切な取り扱いと管理体制の整備が、持続可能で安全な利用につながります。

有機溶剤のリサイクルについて

近年では、廃棄物処理の中でも有機溶剤のリサイクルが注目されています。
適切に回収・再生を行うことで、資源の有効活用と環境負荷の低減を同時に実現できるため、多くの企業が取り組みを進めています。
しかし、有機溶剤は性質が複雑で、処理には高度な知識と設備が求められることから、専門業者に委託することが不可欠です。

三和油化工業では、長年培ってきたリサイクル技術と厳格な管理体制により、安全かつ効率的な有機溶剤のリサイクルを実現しています。
廃棄コストの削減だけでなく、資源循環を通じて企業価値の向上にもつながる取り組みを支援しています。

有機溶剤をはじめとする廃油・工業廃棄物のリサイクルなら、ぜひ三和油化工業にご相談ください。