混酸の分離回収

　混酸を使用するエッチング処理は液晶・半導体の製造工程で多用されており、同時に使用済みの混酸廃液が排出されてきました。従来、この混酸廃液の一部は鉄鋼工場での酸洗浄に使われてきたものの、大部分は多量のアルカリを使って中和後に焼却処理するなど、十分な有効利用がされてきませんでした。さらに、リン酸の原料であるリン鉱石は海外からの輸入に頼っており、産出国の輸出制限や為替の影響により、調達不安や価格高騰が懸念されています。
　そこで当社は関西大学との共同開発をきっかけに、混酸廃液を分離し単一の酸として回収する技術を確立しました。回収した酸はリユース・リサイクルすることで資源としての有効利用ができるようになりました。この技術は「溶媒抽出法による混酸廃液からの酸回収装置」として科学技術振興機構より成功認定を受けています。

再生リン酸

肥料飼料向け原料、活性汚泥の餌

液晶半導体などの産業から排出される廃混酸は、実はとってもキレイ。
独自の抽出技術により、廃混酸からリン酸を分離した後、濃縮回収しています。
ご要望に応じた濃度調整が可能です。

＜主な含有成分＞

	酢酸	硝酸	AI	Mo	Fe	Sb	Ca	K	Na
再生リン酸 85％	0.08%	N.D.	～0.5％	～0.1％	10ppm	0.3ppm	1.7ppm	0.2ppm	0.1ppm
工業用リン酸 85％	-	-	-	-	0.7ppm	1.2ppm	0.3ppm	0.1ppm	0.5ppm

＜肥料向け実績＞

	亜硝酸	全Cr	Ni	Pb	Cd	As
再生リン酸 75％	< 25ppm	< 1ppm	< 1ppm	< 1ppm	< 1ppm	< 0.1ppm

再生フッ酸・フッ硝酸

ガラスパネルの表面処理、鉄鋼の酸洗・表面処理

半導体業界などから排出されるフッ酸・フッ硝酸、硫酸のリサイクルにも取り組んでいます。
廃酸や新液を適宜調合して販売しています。